息モレ傾向の悪しき原因

ミキサー②

ここでは、「息モレ傾向」の「悪しき原因」について書きたいと思います。

が、その前にあるエピソードを。。。

「高音タイプでミックスボイスを獲得したら素晴らしいだろうな〜」と思う生徒さんがレッスンする度に「どんどん、息がもれて、擦れている」状況になり、不思議に思っていました。

これは「ホー」とか「オー」もいいけれど、しっかり「オモテ声」の練習や、「声門(声帯)を閉める」方向のレッスンが良いと判断し、オモテ声で歌う音域(オモテ声の成分の割合が多い音域)で、「ア」や反転母音のアェ」「イ」などでレッスンしてみました。

ところが、なかなか声門(声帯)が閉まりません!

この生徒さんの場合、元々、「息モレ傾向」であったものの、声門(声帯)を閉めるレッスンで、以前は閉める事がすぐ出来ました。 もちろん「無意識」に出来る、いつも声門(声帯)が閉まった状態で発声出来るというところまではいってませんでしたが、それは「時間の問題」なだけでした。

なので、「ん???」と私は考えましたね〜。

とにかく何をやっても洩れている。 時間の問題なだけだったのに悪化している気がする。。。

1つの事に集中して、嫌になってもダメですし、他のアプローチからも考えましたが、こういう状態になってから2回目のレッスンでしたので、「これは逃げないで、『声門(声帯)が閉まった!』という実感をもってもらわないと、次のレッスンまでの間の練習が心配だ。。。今日はこれに集中しよう」と、声門(声帯)が閉まり易い母音で何度もトライ。

それでもなかなか閉まらないので、「思っている以上に閉める感覚で、いまは丁度いいかも」「もっと、シャープ、もしくはヒステリックな声で」と言いながら私も必死になって発声し、模写しもらいました。

そうしたら、どうでしょう! やっと「アェ」がしっかりした音になりました。

私は「そう!それそれ!じゃあ、その音質でこの音型をやってみて〜」と、その声門(声帯)が閉まった感覚を忘れないように、慎重に色々とやってもらいました。

生徒さんも「何となく感覚を掴みました」と一言。

ほっとすると同時に、本当に嬉しかったのを覚えてます。

 

さて、長くなりましたが、「息モレ傾向(しゃがれた声)」の原因ですが以下の通りです。

① コーラスや声楽などをやっていて、「息モレ」が「柔らかい声」という事でそのまま歌って来た。

② 歌い過ぎて疲労し、声門(声帯)が閉まらなくなった。

③ 同じく歌い過ぎだが、特に「高音ばかり」歌い、疲労し声門(声帯)が閉まらなくなった。

④ シャウトばかりして、しゃがれてしまった。

⑤ ②〜④が原因で、とうとうポリープを作ってしまった。

以上が最もポピュラーな原因だと思います。

後で解った事ですが、この生徒さんはどうやら8時間程、カラオケで様々な曲をバンバン歌っていたようです。 これでは、まだまだ安定した発声になってない内から「長時間」歌うわけですから、声門(声帯)が疲労して閉まらないのも無理がありません。

ボイストレーニングをし始めて、暫くすると実力を試したくなりますよね。

でも、案外思っていた通りにならない事のほうが多いです。

とにかく「練習」と称して、異常なまでの長時間、好きな歌だけ毎日歌うのは場合によっては危険ですから、やめましょう!

迷ったらトレーナーに相談する事です。

最後に・・・歌えるその日までNever, Never Give Up!

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